日本語訳 Dr. LoRのデッキ公開制などの議論についてのtwitlonger

原文

https://www.twitlonger.com/show/n_1ss0jue

 

訳文

 LoRのTwitterコミュニティでは最近、デッキが公開制であるべきか否かについて多くの議論がなされています。

 この話題と、他のよく議論になる話題について、私の2つの意見を述べたいと思います。


 Mark RosewaterとWizards R&Dが考え出したTimmy/Johnny/Spikeの心理学的分類を使って説明します。(https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/timmy-johnny-and-spike-2013-12-03)。

 要するに、Spikeは勝つことを好み、Johnnyはクリエイティブであることを好み(そしてコンボが好き)、Timmyは大きく強力な効果(MtGではたいていドラゴンや天使などの大きなクリーチャーで、高マナですが強大な効果を持っていました;LoRでは「天雲の守護者シスリア」などの大きなユニットや、「フィール・ザ・ラッシュ」などの高マナ呪文も含まれます)を好みます。

 また、他にも美的プロファイル(スキンが好き、伝承が好き、自己表現が好き、ゲームメカニックが好き)がありますが、これについては触れません(https://mtg.fandom.com/wiki/Player_type#Aesthetic_profile)。

 

 仮定にせよ、単なる経験的事実にせよ、JohnnyもTimmyも、勝利の数よりも「質」を気にしているのです。だからこそ、Timmyは「シュリーマ単」が勝率45%以下のデッキだったときでも喜んでプレイしていたのです。勝率が低くても、何回かは「成し遂げる」こと(※おそらく超越者をレベル3にすること)ができればそれでOKなのです。

 潜伏はそれほどオーバーパワーではありませんでしたが、潜伏とチャンピオンが毎回ヒットし、「ブン回り」するとかなり強力に感じます。「知りたがりの海貝」 デッキはそれほど競技的ではありませんでしたが、不利な状況を覆して勝ったときには「とてつもない快感」を得たことでしょう。

 

 LoRの競技シーンについて考えてみると、主にSpikeとSpike/Johnnyのハイブリッドが混在しています(カジュアルプレイヤーはnon-Spikeと定義されます)。

 つまり、競技プレイヤーは勝つことが好きで、その勝ち方が楽しいかどうかを気にする人もいます(もしかしたら多いかも?)。

 これが、MajiinBae (@MajiinBaeLoR) | Twitterのような人々が、スカウトやパンテオンが強いときのメタを嫌い、アーリ・ケネンがベストデッキであるときのメタを好む理由です。アーリ・ケネンの複雑さが多くのトッププレイヤーに楽しいと思われていたことが、それに対する苦情をほとんど見なかった理由です(トップレベル以下ではプレイする人が少なかったことも理由です)。

 パッチ3.2は非常に多様なメタであったにもかかわらず、プレイヤーから不満が出たのは、多くのトッププレイヤーが「戦火のヨードル&奮起」デッキや「パンテオン」デッキを使っても、使われてもつまらないと感じたからです。

 


 元の話題に戻ります。LoRの議論は、

1)デッキ公開制 vs 非公開制

2)Bo3 vs Bo1 ランクマッチ

3)バンドルツリーやアニビアのような極端なデッキに遭遇するからラダーは最悪

などを中心に展開されることが多いようです。これらの話題はすべて複雑で多面的ですが、少なくとも重要なのは、それぞれの立場の支持者が異なる心理学的分類を持ち、それゆえにゲームに何を求めるかについて異なる嗜好を持っているということです。

 

 例えば、デッキ公開制 vs 非公開制について(オープン・リスト、クローズド・リストとする)。オープン・リスト に賛成する多くのプレイヤー(主にSpike)は、要約すると、優れたプレイヤーがデッキリストという限られたカードプールの中で、最適なプレイ・ラインを見つけることを可能にするという主張をしています。ジャッジメント、フィール・ザ・ラッシュ、破滅などを考慮する必要がないことがわかれば、「相手のデッキに入っているカード」に勝つことが容易になります。彼らは オープン・リストでは、より多くのスキルが反映されると考えています。

 クローズド・リスト推進派は主に、デッキ公開制がいかに創造性を阻害するかについて語ります。確かに、オリジナルデッキを作ることの利点の多くは、対戦相手が何を使ってくるかわからないことであり、これは時に「初見殺し」と揶揄されます。(もちろん、クローズド・リストによってゲームが早く開始されるという議論もあり、これは否定できない利点です)。

 

 Bo3 vs Bo1 とデッキのマッチアップの偏りは関連した問題です。SpikeがBo3を支持するのは、悪いマッチアップや悪いハンドに遭遇することを好まないからです。それゆえにBo3はデッキ相性による勝敗の分散を減らしたり、どのデッキと戦うかを制御したりすることができ、「良いプレイヤー」の勝つ確率を上げると主張しています。極端なマッチアップの存在によって、ランクマッチにはメタゲームが存在するので、任意のマイクロメタで最高のデッキを選択するというメタゲームを失うことになります。

 つまり、Spikeはより頻繁に、より低い分散で勝つことができる状況を求めているのです。勝つことがSpikeの喜びなのだから、これは何も悪いことではないです。しかし、Bo1やクローズド・リストの方が、Spikeでないプレイヤーに優しいということも、Spikeな人たちは受け入れなければならないのです。

 

 以上のことから、私は、異なる心理学的分類を持つプレイヤーが皆、それぞれの価値観で楽しむということを尊重しあえることを願います。

 すべてのプレイヤーが60%以上の勝率を出せるわけではないので、Spikeだけではゲームは成り立ちません(数学的に)。70%の勝率で1000以上のLPを獲得したプレイヤーがいるということは、70%のゲームにそれぞれ負けた対戦相手がいるということです。

 Mogwai (@MegaMogwai) | Twitterがメタが悪いと文句を言うのは、彼の創造的なデッキ構築のニーズが制約されていると感じるからで、私もその気持ちがわかります。それと同時に、コピーデッキや思考停止のアグロ、メタデッキをプレイすることついて他のプレイヤーを非難するプレイヤーを見たとき、それも大きな過ちのように感じます。Spikeが勝ちを追求し、それを楽しむことも許されるべきです。

 

 要約:ゲームに求めるものは人によって違うし、みなさんもそうでしょう。このような話題が出るたびに議論を交わすのではなく、お互いの違いを受け入れ、相手がどこから来たのかを見極めましょう。LoRは、私たち全員にとって十分大きなゲーム(a big enough game)です。

 

 

訳:すぱゆに (@SUPAYUNI) | Twitter

やまと氏インタビューを見るAlan氏の配信雑まとめ

www.youtube.com

www.twitch.tv

Worlds準優勝のやまと氏(@yamato1890_lor)の英語インタビューを、

Worlds優勝のAlanzq氏(@AlanzqTFT)が配信で見ていたので大まかなまとめ。

 

※聞き取れなかったところ、正確に訳せていないところもあるかもしれないことを考慮してお読みください。

※敬称略

 

やまと

「トーナメントレベルでプレイするのはLoRが初めて。」

Alan

「とてもすごいことだと思うし、印象的だね。」

 

コメント欄

「アジア圏の選手は時差があるから朝寝て夕方に起きる必要があった。」

Alan

「自分はいつもどうりだったから、考えもしなかった。」

 

レポーター

「ドレイヴンサイオンのリストは他の地域では見ない型で、特にファロンが特徴的。」

Alan

「ドレイヴンサイオンのターゲットはなんのデッキなんだろう。ファロンはたしかに強いけど、生存術だったり、3枚目の魔鴉のほうが良さそうに見えるけど...

苦手なマッチアップに対応できるようにと言っていたけど、苦手なデッキはBANしたほうがいいし、特にアグロに対してファロンは無力だよね。

ターゲットはダークネスだったのかな?それならファロンが入ってるのは納得できる。」

 

やまと

「サイオンの裏スペルが入っているのは一応ゾーイナミへの対抗策。」

Alan

「彼の持ち込みだとゾーイナミは100%BANしたほうがいいと思うけど...」

 

やまと

「ダークネスはナミゾーイに有利、デマシヴィアにもギリギリ5分くらいはあると思う。」

Alan

「これは認識が違うね。シヴィア対面はきついと思う。

ナミゾーイは、ナミゾーイ側が他のデッキと同じようにプレイしたならダークネス有利だけど、きちんと対策すればダークネスが不利だと思う。

Worldsではナミゾーイのプレイヤーはダークネスに対して間違ったマリガンをしてた。他のデッキに対してと同じようにパス、パス、3コススペルってね。」

 

やまと

「デッキの持ち込みはサイオンとセジュGPは確定で、ダークネスは最後に決まった。」

Alan

「それは驚き。デッキパワー的にはサイオン>ダークネス>セジュGPだと思うけど、セジュGPを先に決めたんだね。」

 

やまと

「ダークネスはベイガー、カタライザー、4/3/4、セナがキーカード」

(日→英翻訳に齟齬の可能性あり)

Alan

「カタライザーやベイガーは一般的にはキープすべきだけど、デマシヴィアに対しては4/3/4や饗宴のほうが大事だからキープするべきではないと思う。」

 

やまと

「セジュGPはデマシヴィアに対して有利だと思う。」

Alan

「同意。チャンプブロッカーも多いし、完璧に動いて早めにレベルアップできればシヴィア側はどうしようもないことが多い。」

 

レポーター

「最終戦のラストターンに偽りの発砲を打たなかったのはなぜ?」

やまと

「先を見据えると、偽りの発砲をこのターンに打つべきではないと思ったため。警戒網もすでに2枚使っていたので3枚目は持っていないでくれとの願望も込みで。」

Alan

「果たし合いでも対処できたけどね。でも偽りの発砲を打たないのは正しいプレイだよ。」

 

間違っているところ等、指摘があればtwitter @SUPAYUNI宛にリプライお願いします。

確認し次第修正します。

古の守護者シーズントーナメント NA 決勝 簡易レポ

NAの決勝で亡霊シスリアが出てて勝ったらしいので簡易レポ。

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Jacowaco選手は同構成で予選を9-0通過。

対するDuckling選手も同構成で予選を8-1通過。

 

BANはイレアジとエズティーモだった模様。

 

1戦目 シュリーマOP vs TFフィズ

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TFフィズ驚異の引き。シュリーマOPはスペルが少なくキツめ。

この後TFフィズは2枚目のフィズと超エキサイティンを引き、全火力を顔面に打ち込み終了。

 

2戦目 シュリーマOP vs 亡霊シスリア

シュリーマOPがOPユニットと戦場の咆哮を引き込めて勝ち。

 

3戦目 アッシュルブラン vs 亡霊シスリア

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後攻4T目に動員令→0コス命の風波*2+4コス光輝守護者という犯罪ムーブをかます

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さらに後攻6T目に2枚目の動員令からの6コス亡霊シスリアを決める。

 

というわけで優勝は亡霊シスリア/エズティーモ/TFフィズを持ち込んだDuckling選手(@DucklingLor)でした。

 

大会アーカイブはこちらから

www.youtube.com